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デンマークでのSDGsの取り組み「UN17 ビレッジ」とは

2023/02/06(月)
デンマークは、2022年のSDGs達成度ランキングで2位になるなど、常にSDGs達成度ランキングで上位に位置する国であり、
「Too Good to go」という食品ロスの削減運動や、オーガニック食材の使用など、SDGsに先進的に取り組んでいます。
政府も「グリーン投資基金」によって、環境保全に取り組む企業に融資を行ってきました。

 そして現在、「建築段階だけでなく人が住みやすいように、資源や産業、生活から社会までが総合的に持続可能なライフ
スタイル」を目指したプロジェクトが進められています。
プロジェクトは、「UN17ビレッジ」と名付けられ、その名が示すように「国連(UN)」が提唱したSDGsの17の目標に
対応することを目指した持続可能性を目的とした敷地面積約3万5000㎡、400戸の建物からなるエコ・ビレッジをコペン
ハーゲン南部に建設中であり、2023年中に完成予定です。

コンセプトは、「自然界では廃棄物は存在しない」「都市を発展させるのに環境を犠牲にする必要はない」であり、環境、
社会、生物多様性など、様々な観点からの持続可能性を追求するビレッジ内には
様々な工夫が施されています。

屋根にソーラーパネルを設置して電力を賄うのはもちろんの事、持続可能性に焦点を当てたイベントを開催するカンファレンス
センター、生物多様性を守るために、様々な生き物の住処となる屋上庭園、住民が自らの野菜を育てるための温室、年150万
リットルの水をリサイクルできる雨水収集施設、その雨水を利用したコインランドリー、共同キッチン、ゲストハウス等が
作られる予定であり、人々の健康やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)にも考慮したものが作られる予定です。

また、施設の建設の際に使用される建築資材は、通常なら廃棄物として扱われるコンクリート、木材、窓ガラスなどの廃材から
リサイクルされたアップサイクル(元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出す事)素材が使われています。
捨てられるはずだったモノに、新しい価値を加える取り組みは、「ゴミ」という概念をなくし、どんなモノも資源と考える事に
繋がっています。

最終的には、自然と同じように循環する街をつくり、ごみの排出量をゼロに近づける「ゼロウェイスト」が目指されています。

また、将来、ビレッジ内で廃材が出た時には、地域の住民を雇い、アップサイクル資材にするための加工が行われます。地域の
雇用を生み、経済にも貢献するという意味で、社会的に見てもサスティナブルな取り組みです。

このように「UN17ビレッジ」は環境・経済・社会の3つの側面が意識された、SDGsモデル都市となる事が期待されています。

以上、SDGs推進先進国であるデンマークで進められている「UN17ビレッジ」ついて簡単に解説させて頂きました。

私としては、日本でも同じようなプロジェクトが早期に開始される事を願って止まない今日この頃なのですが、皆様はどのように
思われますでしょうか?

この記事が、「SDGs」に対して関心を持つ切っ掛けになれば幸いです。

(by YN)

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