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「CSR」と「CSV」とは

2022/10/11(火)
「SDGs」が大きく取り扱われている最近ですが、様々な企業が行っている環境への取り組みについて
「CSR報告」や「CSV経営」と言う形で耳にする事も多いと思います。

「CSR」「CSV」と言う用語は「SDGs」に絡めて使われる事が多いので、意味が解っていないと
「CSR」又は「CSV」=「SDGs」と思われてしまう事も多いのではないでしょうか。

今回のブログでは、あまりクローズアップされる事のない「CSR」「CSV」の用語解説及び「SDGs」との
関係について簡単に取り上げていきたいと思います。

まずこれらの用語が生まれる要因となったのは、昔から企業が利益を追求する為に起こしてきた様々な問題、
大気汚染や海洋汚染などの
公害問題、産地偽装、粉飾決裁などの不正行為などが根本にあります。

このような事柄から、1990年代から消費者・投資家・社会全体などのあらゆるステークホルダーに対する
適切な意思決定を行い、倫理的観点から事業活動を通じて自主的に社会に貢献する企業の社会責任が強く
意識されるようになってきました。

この「企業の社会責任:Corporate Social Responsibility」の事を「CSR」と呼びます。

このCSR活動には、法令順守はもちろん、ステークスホルダーに対する説明責任を果たす事が
含まれます。

また、最近では、本業とは関係のないかたちで寄付やボランティア活動などの自主的な取り組みを行う、
企業がお金を持ち出して「善い事」を行うと言ったイメージで捉えられる事も多くなっています。

次に、「CSV」とはどのような意味を持つ用語なのでしょうか?
「CSV」とは、「Creating Shared Value」の略語で「共通価値の創造」と言う意味を持っています。

この「CSV」は、2011年に米ハーバード大学教授のマイケル・ポーター氏が提唱した、従来では相容れないと
考えられていた「経済効果」と「社会的価値の創出」の両立を目指す考え方です。

「社会的問題・課題解決のビジネス化」とも言われており「CSR」よりも経済的側面に力点が置かれているのが
特徴となっています。

このように、「CSR」「CSV」は、企業活動の為の考え方であり、これらが、企業の「SDGs」への取り組みを
表すものであると多くの人に思われているのは、どうしてでしょうか?

まず「CSR」において、本業とは関係のない寄付・ボランティア活動などによる社会貢献を行う際に、環境問題に
関する事柄が多い事が挙げられます。
(例:某家電メーカーによる森林再生プロジェクト等)

そして「CSV」では、社会的問題・課題解決のビズネス化と言う観点から、最近特にクローズアップされる事の
多い環境問題に関与する事例が多いからです。
(例:海洋プラスチックを原料とした商品の開発等)

「SDGs」=環境問題と考える方の多くが、このような事から「CSR」「CSV」が企業の「SDGs」への取り組みを
表すものと考えられています。
ですが、そもそも「SDGs」とは、「事業を通じて、環境や人権などの社会課題を解決し、持続的な発展」を目指して
国連が採択した目標です。

「CSR」「CSV」は、モノの考え方ですが、「SDGs」は目標(=実現しなくてはならない事)であることが
異なっています。

「CSR」及び「CSV」を行えば「SDGs」が達成されるわけではなく、「SDGs」を達成するための考え方として
「CRS」「CSV」がある事を最大限考慮しておく事が重要です。

以上、「CSR」「CSV」の用語解説と「SDGs」との関係について簡単に解説させて頂きました。

この記事が、「SDGs」を達成する為のお力に少しでもなれれば幸いです。

(by YN)

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