プラスチック資源循環法とは? SDGs目標12との関連は?
2022/07/19(火)
海洋プラスチック問題など、プラスチックの廃棄に関して世界的に大きくクローズアップされている昨今。
日本では2022年4月、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されました。同法は「プラスチック資源循環法」や「プラスチック新法」とも呼ばれていて、聞いたことはあるという方もいらっしゃると思います。
この法律は簡単にいうと、
日本では2022年4月、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されました。同法は「プラスチック資源循環法」や「プラスチック新法」とも呼ばれていて、聞いたことはあるという方もいらっしゃると思います。
この法律は簡単にいうと、
プラスチック製品の製造 → 製品の売買 → 分別と廃棄 → 回収・リサイクル
というプラスチックの一生(ライフサイクル)において、各局面で無駄をできるだけ減らし、プラスチック資源を循環させることを目指すものです。
プラスチック資源循環法ができた背景には大きく以下のことがあります。
・海洋プラスチック問題など、プラスチックごみ問題。
・廃プラスチックを燃やす際に排出されるCO2など、温暖化に関する問題。
・諸外国の廃棄物輸入規制強化により、廃プラを国外に出しにくくなった。(参考:バーゼル条約)
・海洋プラスチック問題など、プラスチックごみ問題。
・廃プラスチックを燃やす際に排出されるCO2など、温暖化に関する問題。
・諸外国の廃棄物輸入規制強化により、廃プラを国外に出しにくくなった。(参考:バーゼル条約)
2019年の時点で、日本のプラスチックのリサイクル率は約85%とされています。これは国内の廃プラスチック総排出量のうちどれだけの量をリサイクルして活用したかを示す数値です。
85%と聞くと日本はプラスチックのリサイクルでものすごく優秀な感じがしますが、実際はちょっと違います。どういうことかというと…
これを説明する前に、まずはリサイクルの種類について軽くおさらいしましょう。
リサイクルには3つの種類があります。マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルです。
マテリアルリサイクルは「材料リサイクル」とも呼ばれ、廃プラをフレークやペレットなどのプラスチック原料に戻してから新しいプラスチック製品に再生することです。
ケミカルリサイクルは廃プラを分子レベルで化学的に分解し、他の化学物質に変えて再利用すること。
これに対してサーマルリサイクルは、廃プラを燃やした際に出る熱エネルギーを回収するというもので「熱回収」ともいわれています。
では、ここで日本のリサイクルの内訳を見ていきましょう。
85%と聞くと日本はプラスチックのリサイクルでものすごく優秀な感じがしますが、実際はちょっと違います。どういうことかというと…
これを説明する前に、まずはリサイクルの種類について軽くおさらいしましょう。
リサイクルには3つの種類があります。マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルです。
マテリアルリサイクルは「材料リサイクル」とも呼ばれ、廃プラをフレークやペレットなどのプラスチック原料に戻してから新しいプラスチック製品に再生することです。
ケミカルリサイクルは廃プラを分子レベルで化学的に分解し、他の化学物質に変えて再利用すること。
これに対してサーマルリサイクルは、廃プラを燃やした際に出る熱エネルギーを回収するというもので「熱回収」ともいわれています。
では、ここで日本のリサイクルの内訳を見ていきましょう。
日本では、マテリアルリサイクルが22%、ケミカルリサイクルが3%、サーマルリサイクルが60%と、そのほとんどがサーマルリサイクルなんですね。つまり、リサイクルといえどもたくさん廃プラを燃やして処分しているということですね。燃やせば当然CO2を排出することになります。
ヨーロッパでは、サーマルリサイクルはリサイクル率に含んでいませんので、ヨーロッパ基準で考えると、日本のプラスチックリサイクル率はかなり低いという状況です。
これまでは廃プラの一部を中国や東南アジアに輸出して処理してもらっていました。しかし、2021年に改正バーゼル条約が発効したことで規制が厳しくなり、廃プラを国外に輸出することが難しくなってきました。
行き場を失った日本国内の廃プラスチックはどうなるのでしょう…。
このような状況を踏まえて、いよいよプラスチック資源循環法を動かすことになったんですね。
同法については、環境省の特設サイトでわかりやすく紹介されていますので参考にしてください。
ヨーロッパでは、サーマルリサイクルはリサイクル率に含んでいませんので、ヨーロッパ基準で考えると、日本のプラスチックリサイクル率はかなり低いという状況です。
これまでは廃プラの一部を中国や東南アジアに輸出して処理してもらっていました。しかし、2021年に改正バーゼル条約が発効したことで規制が厳しくなり、廃プラを国外に輸出することが難しくなってきました。
行き場を失った日本国内の廃プラスチックはどうなるのでしょう…。
このような状況を踏まえて、いよいよプラスチック資源循環法を動かすことになったんですね。
同法については、環境省の特設サイトでわかりやすく紹介されていますので参考にしてください。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」特設サイト(環境省)
海洋プラスチックの問題をはじめ、世界的に大問題化してきたプラスチックとの付き合い方。
このままの経済活動を続けていると、2050年にはプラスチック生産量が今の4倍になってしまい、海洋プラスチックごみの量が魚の量を上回るという衝撃的な予測もなされています。
わが国でもプラスチック資源循環法のもと、政府や研究機関、事業者や消費者など、全方位で協力し合わなければ、問題解決の糸口さえつかむことはできないでしょう。
事業者にできることはあります。
プラスチック製品を製造しているメーカーなどが、再生材料を使用して製品を作ることです。こうすれば新しいプラスチック原料(バージンプラスチック)の使用量を減らすことができます。プラスチックの原料は石油ですから石油の節約にもなりますね。
また、使用済みプラスチックを回収し、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルなどで再利用していくことも重要です。そのためにはもちろん技術の進歩が求められます。
これまでいかにして良いものを効率的に作るかに主眼が置かれてきた日本の製造技術ですが、これからはいかにして蘇らせるか、再利用できるようにするかなど、リサイクル中心の技術を成長させていくことが必須です。
消費する側としては、不要なプラスチック製品の使用はやめていくべきです。また、再生プラスチックからできた製品を率先して購入するなど、買う側の意識の変革も不可欠です。
特に企業など組織における消耗品の購入では、再生プラを使用している製品を積極的に選択してほしいところですね。日本中で数多ある組織がこのような購買にシフトしていけば、メーカーも自ずと再生プラ製品を供給していかなくてはならなくなります。
このようなパラダイムシフトをしていくことが、プラスチック資源循環をグルグル回すことになっていくのです。
そしてこのような取り組みは、SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」をダイナミックに押し進めることになります。
このままの経済活動を続けていると、2050年にはプラスチック生産量が今の4倍になってしまい、海洋プラスチックごみの量が魚の量を上回るという衝撃的な予測もなされています。
わが国でもプラスチック資源循環法のもと、政府や研究機関、事業者や消費者など、全方位で協力し合わなければ、問題解決の糸口さえつかむことはできないでしょう。
事業者にできることはあります。
プラスチック製品を製造しているメーカーなどが、再生材料を使用して製品を作ることです。こうすれば新しいプラスチック原料(バージンプラスチック)の使用量を減らすことができます。プラスチックの原料は石油ですから石油の節約にもなりますね。
また、使用済みプラスチックを回収し、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルなどで再利用していくことも重要です。そのためにはもちろん技術の進歩が求められます。
これまでいかにして良いものを効率的に作るかに主眼が置かれてきた日本の製造技術ですが、これからはいかにして蘇らせるか、再利用できるようにするかなど、リサイクル中心の技術を成長させていくことが必須です。
消費する側としては、不要なプラスチック製品の使用はやめていくべきです。また、再生プラスチックからできた製品を率先して購入するなど、買う側の意識の変革も不可欠です。
特に企業など組織における消耗品の購入では、再生プラを使用している製品を積極的に選択してほしいところですね。日本中で数多ある組織がこのような購買にシフトしていけば、メーカーも自ずと再生プラ製品を供給していかなくてはならなくなります。
このようなパラダイムシフトをしていくことが、プラスチック資源循環をグルグル回すことになっていくのです。
そしてこのような取り組みは、SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」をダイナミックに押し進めることになります。
●SDGs 12「つくる責任 つかう責任」概要
●誰でもできる! SDGs
グリーン購入(循環経済)に特化したプラットフォームとして知られている「グリーンステーション・プラス」では、再生プラスチックを使用した環境配慮型の事務用品等を数多く紹介しています。
是非とも商品選びの参考にしていただき、みなさまのSDGsの取り組みの第一歩にしていただけると幸いです。
(by SAKA)
●誰でもできる! SDGs
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(by SAKA)